K memo

K-POPや韓国旅行関連のメモです

メイサの歌(메이사의 노래)を韓国で見た

韓国陸軍創作ミュージカル「블루헬멧 : 메이사의 노래(ブルーヘルメット メイサの歌)」に、온앤오프(オネノプ・ONF)のヒョジン君とスンジュンが出演することになりました。

オネノプは2021年12月に日本人メンバーを除く5人のメンバーが同時期に入隊を発表し、現在活動休止状態になっています。そんな中軍ミュージカル出演の報せ、しかも2人のメンバーが同時に!!!というニュースにファンダムは沸き立っていました。

 

※※もし、オネノプのファンじゃない方でこのブログにたどり着いた方がいたら、念の為…

オネノプのこの2人がミュージカルに同時に出演するというのは、彼らが普段からミュージカルに挑戦してみたいと話していた夢が叶ったというだけでなく、この2人の仲はなんと15年目!!中学からのガチ同級生から始まり同じグループでそれぞれリーダーとして活動(オネノプはリーダーが2人います)、同時期入隊からのミュージカル同時出演という運命とも呼んでも良いくらいのアツすぎる展開なんです…!!!

※参考動画:[온앤오프 효진/제이어스] 리더즈의 운명같은 서사 모음집

 

しかし、普通(?)のミュージカルは韓国で何作か見たことがあったんですが、軍が作るミュージカルって一体どんな…???と一抹の不安が…

推し(達)が入隊した経験も初めてで、噂ではそういう物があるという事は聞いていたものの、あまり前情報が無いままとりあえずチケットを予約!

内容や見に行った感想についてこの記事でまとめてみたいと思います。

 

※物語のネタバレにつながる話になる時にアナウンス入ります
(스포가 되는 이야기는 이야기에 들어가기 전에 적자로 아나운스하겠습니다)

基本情報

チケット販売サイトに掲載されているあらすじ抜粋の日本語訳はこちら

人類の幸福と繁栄のために犠牲になった高貴な英雄たちにこのミュージカルを捧げます。

K-POPオーディションに参加するために韓国を訪れたラマン。優勝候補たちの事前インタビューで韓国を訪れたオーディションに参加した隠された理由を打ち明ける。美しく神秘的なラマンの故国「カムール」で幼い頃に会った派兵韓国軍「メイサ」を探すために韓国に来た。「メイサ」は幼いラマンに希望、そして「歌」の力を教えてくれたぜひまた会いたい人。オーディションの優勝と「メイサ」を探すこと、切実に望む二つの願いが全て叶えられるだろうか。

通算6作目となる韓国陸軍創作ミュージカル。今回ヒョジン君とスンジュンが出演する「メイサの歌」は再演(2回目)です。

初演は2021年10月15日オンライン公演からスタート。ソウル、龍仁、釜山をツアーして、初演のキャストでは12月25日がラストの公演。

初演もINFINITEのエル(キムミョンス)さん、B.A.P出身のデヒョンさんなど先輩アイドル達が出演しており、主演のEXOのチャニョルさんは初演から大人メイサ役を引き継ぎ、チャニョルさんの他にも2回目も同じキャストで続投している方や、役を変更して出演していた方も多くいたようです。

2022年のメイサは3月18日のソウル公演からスタートし、途中キャストのコロナ感染による公演キャンセルなどの困難を経て。。。5月8日に無事終幕。夏には昨年より規模を拡大し大田、仁川、釜山、水原、城南、大邱、高陽を回る全国ツアーを控えています。

 

私が見たメイサは…

1回目:0319 (リーダーズ初日!)  2階後方

※ソウル公演ではスンジュンはダブルキャストだったので出演しない日もありました

2回目:0323 2階後方

3回目:0324 1階後方 ※スンジュンが出演しない回も1回だけ見ました!

4回目:0406 1階5列目

5回目:0422 (ヒョジン君誕生日!)2階1列目 

6回目:0508  ※オンライン配信

という感じで、、、数えると結構見たな。笑

かなりの頻度でチケットを割引で売ってくれるので、思わずリピートしまくってしまった퓨즈が後を絶ちませんでしたw

 

会場にはこんな感じでミュージカルお決まりのフォトスポットが沢山!ヒョダリ(※ヒョジン君に似ているという事でファンダム内で大ブームを起こしたカワウソの人形)と共に写真を撮る人達で溢れていました!

 

またリピートしたくなってしまう催しとして、撮影OKのカーテンコールデーの存在も大きかったと思います。挨拶のときのポーズも毎回レベルアップしていき、SNSで毎日誰かしら共有してくれるのでアップされるのを、みんな楽しみに待ってたんじゃないかなと思います。

期間限定のラッキードローデーでは、チケットの半券を使ってくじ引きを実施し、当選者にはポラロイド写真などをプレゼントしていました…!

ヒョジン君の誕生日の公演日にはサプライズでお祝いも!

カーテンコールが終わった瞬間にみんな大急ぎで1階に降ります。余韻なんてありません。なぜならキャストの退勤を見ないと終われないからです。みんな見に行くのでエレベーターが混みすぎて7階から階段で駆け下りるときも…笑

退勤時もファンを喜ばせるような色々を用意してくれており、キャスト同士の仲の良さ雰囲気の良さも感じられる瞬間でした…!

 

ちなみに…兵役期間中、軍人の身分で軍ミュージカルに参加する彼らは出演料をもらっていないそう

(営利目的とする業務に従事したり、他の職務を兼ねることができないという軍人服務規律、第16条 営利行為や兼職禁止のため)

記事によると、ミュージカル制作会社はミュージカルで得た収益金を軍と共有せず、軍は出演者などの支援の他にミュージカルについては全く関与しないそうです。 (ソウルラスト公演の最後に偉い人の挨拶があったり、プログラムブックにメッセージが掲載されていたりはしています)

参考:TEN스타필드記事 ※前売り方法の問題指摘の記事内に出演料についての記述があります

 

ネタバレに触れない感想

リーダーズ初日、望遠鏡で表情も沢山見ましたが、2人ともそこまで緊張している様子も無くのびのびと演技している印象でした。しかし2回目以降どんどんアドリブが増えていき、今思い返すと初日は結構緊張してたかもな。と思ったり。笑

2人が隣に並んで踊る場面も多くあり、特にリダズ初日は周りがぴゅずだらけだったので感嘆の声が客席から上がっているのを感じながら観覧したのを覚えています…!

(彼らがミュージカルに関わるまでは、我々はガサガサの画質の訓練所の写真でしか彼らの姿の確認ができなかったので尚更…涙)

ヒョジン君はソロで歌う曲もあり、ヒョジン君が歌い始めると"感性"の歌声と言われる意味がわかる場面でした。

スンジュンも自分のパートがある歌が多く、正直出番でいうと主演達より沢山出ていたような…!明るい面もありつつ責任感のある役が、彼自身のキャラクターとよく合った配役だと思いました。

感情だけで話をすると、構えていたよりも正直思ったよりかなり面白く見れる…!

本当に2人とも輝いていて感激しました。。。歌もミュージカル特有の少しオーバーな演技も自分のものにして、立派につとめあげていたと思います。

"새로운 걸 해보자 우리 항상 다른 길로"(新しいことをやってみよう 僕らはいつも違う道を/춤춰の歌詞より)なオネノプすごいなぁ。。。

 

軍のミュージカルだけど、他に見に行ったことのある普通のミュージカルと同じようにセットも沢山変わって、プロジェクションマッピングも駆使してものすごく凝った演出。かなり見応えがあり、ずっと集中して見れる。さすがK-ミュージカルという感じ…!

音楽もいい曲が多く、私は特に「Black hole」という曲が、”サバイバル番組良い曲”の流れを汲んだ結構イイキョクで、DJとかで聴きたいので音源化してほしいくらいです!

※この動画にインストが使われています

youtu.be

 

何回か見ていくうちに他の出演者も魅力たっぷりな方々ばかり!という事に気づき、さらに観劇の楽しみが増えていきました!※ツイートを一部引用しています

・VAV 로우さん・지우さん

彼らもグループから2人そろって同時入隊したそうです。지우さんは初演から続投、로우さんはユンソノのカバー(代役候補?)としてキャスティングされており、ユンソノ役限らずコロナにより出演できなくなったキャストの代役を務めたり、大人数の場面で出てきていました。

지우さんは特に面白アドリブを炸裂したり、面白退勤風景が話題(??)でした。

 

・BABYZOO氏

YGX所属のダンサー。ソウル最終日の挨拶でミュージカルは初めてと話していました。(そもそもミュージカル初挑戦のキャストが大半だったと演出家のコメントで話されていました)

ミュージカルの中にはKPOPアイドル的なダンスの他に色々なジャンルで踊る場面が出てくるのですが、彼はジャンル問わず素晴らしいダンスを見せてくれるだけでなく、カーテンコールの挨拶の時のリアクションでも話題になっていました。笑

 

・차규민さん

動作が常にしなやかで、モデルばりのスタイルの良さでつい目が行ってしまう…!最後のクライマックスでほぼセンターに来て、ヴォーキングを踊るんですが輝きが凄い方です。インスタ

 
 
 
 
 
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・표바하さん

 

・김리안さん

子供ラマン役のキムリアンさんは実は1996年生まれ。役作りと子供演技に毎回圧倒されます。演技中に場面場面で結構毎回本気で涙を流していて、かなり役にのめり込んで演技される方なのだろうなと感じました。そしてカーテンコールでは客席に見えるヒョダリの位置を一生懸命ヒョジン君に教える可愛い一面も…!

あと、オーディション練習中のシーンでとあるメンバーが転がる(?)んですが、その転がり方がいつも見事で毎回謎に関心してました。滑り技の日もあり、綺麗に転がった日は客席から拍手が起きる。笑

だんだん周りが"おねのぷ化"してきたと言っても過言ではない…???(?)

 

 

以下ネタバレあり注意ーーーーーーー

(이 밑에서부터 이야기의 스포가 있습니다)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず1番の衝撃は、ヒョジン君の役は、テロが発生して人々を助けて巻き込まれて亡くなってしまう役でした……(;_;)

内容のあらすじはチケット販売ページや公式が出してるもので、ほぼ説明できる演目なんだけど、そこが新事実で衝撃だった方も多いんじゃないでしょうか。

さらに複数回見ていくと、それを予感させるような伏線の演出が結構あちこちあり鳥肌が…。

メイサはカーテンコールの映像だけ見ると楽しい公演の마무리♪という感じですが、この衝撃の直後なので、実際会場にいる人たちは心の切り替えで結構心理的に忙しかったりするw

 

チャニョルさんはK-POPアイドルを目指す外国人練習生の役で、子供の頃に母国が内戦を経験して(12年経った現代パートでもまだ紛争は続いていると話す)その時に韓国から来ていた平和維持軍との交流を回想する構成で、現代と過去のシーンを行き来します。

プデュのパロディががっつり出てくる(大丈夫か…w)番組のプロデューサーが、内戦当時チャニョルさんが出会った恩人達に再会する場面を作って番組を盛り上げようとして、当時を回想していくという構成です。

 

ミュージカルの内容はフィクションでも、細かく見ていくと現実的な話に感じられるような仕掛けを入れていると感じました。

例えば物語の鍵となる歌「붉은 노을」はラマンが回想する約13年前、実際に韓国でBIGBANGがカバーし一世を風靡した曲です。あの時ラマンを勇気づける曲としてジュンソクが選ぶ曲としてとても納得がいきました。

また、原曲はイムンセが1988年に発表した曲で、「붉은 노을」と聞いてどっちのバージョンを思い浮かべるかで世代がわかるというのは、当時あるあるの流れだったんじゃないでしょうか。

そういうシーンを、当時韓国で実際に過ごしてきた人が見ると、自分が生きてきた地続きの世界線の話だなと感じられるんじゃないかと思いました。

 

私は初演を見ながら、ちょうどその頃大きく話題になっていたウクライナとロシアのことを考えました。(ソウル公演が終わった今も戦争は続いています)

ガオン部隊のメンバー達は、派遣先の国の子供達に、韓国の美味しい食べ物の話やK-POPの話をしたり、歌と音楽とダンスで希望を与えようとするんだけど、

内戦で戦って苦しんでいる人がいるのに、そういう物で楽しむことは気がひける…と派遣隊との交流を拒む現地の大人が出てきたりして、ちょうど最近いろいろ考えてしまったこととつながってハッとしました

しかし、彼らもその気持ちも理解しつつ、でも芸術は人々に希望を与える力がある、どんなに現実が辛く苦しくても歌とダンスで希望を忘れないようにしてきたと話します。

 

私は字幕無し、現場の韓国語の聴き取りのみで物語をしっかり理解するには、韓国語能力だけでなく韓国の歴史とUN平和維持軍の知識が必要だと感じました。

なので細かい内容理解のために、メイサを見た韓国人の友達に色々質問して説明してもらい、やっと完全に理解できました。(紙に図まで書いて沢山説明してくれた友人に感謝です…)

 

配信では日本語字幕つきで見ていたので、ラストに答え合わせをしているような感じでした。

また、話の背景を理解するのにプログラムブックの内容がとても役に立つので気になる方は翻訳しつつぜひ読んで見てください!

 

ヒョジン君の役のお墓の前で、歌と音楽と平和を愛する彼はもうこの世にはいない、これからどうすれば…というような話をするシーンがあり、ものすごく悲しくなった。。。。

その時に姿は見えないけど歌声だけ聴こえる演出がある。姿がないまま生前のシーンの時に歌っていた歌を重ねてハモる?んだけど、その編曲が凄いしこれがものすごく悲しいシーンなのである。

友達に教えてもらったのだけど、殉職すると亡くなった後階級が上がる決まりがあるらしく、追悼のシーンでは生前のシーンと名前の後につく階級が違っているそう…

 

あと最後に字幕を見て初めて理解して衝撃だったのが、例のテロの爆弾は見慣れない子供が運ばされてたってこと、、、???調べたら自爆テロの5分の1が子供というニュース記事とか実際の問題として色々出てくるので…実話ベースのエピソードだったのかもしれないです😢

 

スンジュンは気象災害から子供メイサの命を助けたことがあり、助けた直後に子役と包容するシーンで涙が出てきました。。。

現代パートで、番組で再会するゲストとして今も軍で活躍するずんずんがアジョシとして出てくるんだけど、アジョシ演技がとても良かったですw 面白かった(大きい画面に顔が大写しになる)

部隊を広報するために出演したラジオでヒョジン君が真似してたシーンはこれでしたね。

ヒョジン君がずんずんの役をやってみたいと言ってたのもリップサービスではなく、納得する重要な良い役だったと感じます。

アジョシ演技の前は、スンジュンセンターのダンスパートが結構長い時間あり、その時にずんずんの役である人がその後軍でどういう活動をしてきたかがテロップで文字で説明が出てくるんだけど(多分実際の軍の活動内容に沿ったもののよう?)

ダンスを見たいので文字がしっかり読みこめなくて悔しい…

 

役ではあるけど出演している役者達の多くが、実際に今軍隊にいる人達である、ということをどう消化したら良いものか……。実際に、職業軍人だけでなく兵役期間にUN平和維持軍に志願する人もいるらしい。

内戦とK-POPアイドルを目指す少年ってどう混ぜるのか、むりやりポップにしようとしてトンデモな内容になってる!?と見る前は思ったけど、現実戦争が起こっている今、全然ありえる、ある意味現実的な話なのかもと思いました

 

そもそも兵役制度に対する私の考えとして、

応援している人が兵役でお休みになると知った時、活動が無くなってしばらく彼らの姿が見れなくなる悲しみはもちろんあったけど、

それより大好きな彼らがやりたいこと・好きな事が自由にできなくなる制度に(しかも戦争に繋がる制度)強制的に参加しなければならない事が1番辛く感しました。

しかもそれは、彼らだけでなく国民の多くの人が参加しないといけない制度で問題点も多く、

そしてその制度が出来たきっかけに、自分の国の歴史が関わっているということを考えると、それに関して話す言葉が変わるし、課題も沢山見えて単純にアイドルを推す気持ちとはどうしても変わってくるかなと思っています。

 

物語の中で、派遣先の国の街の大人が、あなた達は一時的に私たちを助けるけど、あなた達には帰る場所があるし一時的なものでしょう、あなた達の力を借り続けるんじゃなくて、自分達の力をつけないといけないのよ!(つまり独立派)というのに対して、

○○の戦争でも○○のときも(正確にセリフが聞き取れなかった)かつて韓国も戦争中に他の国の助けを借りつつ希望を忘れずに自分の力をつけてきた、次は自分達が他の人たちを助ける番だ、という話もします

僕らの役割は残念だけど続いてて終わってないんだ、というようなくだりがあり…とても複雑な気分に…韓国の歴史を照らし合わせて物語を見ると理解しやすい内容だと思いました。

 

日本でもPKO派遣についてよく政治の議題で上がっていたけれど、実際にどういうものなのか恥ずかしながらよくわかっておらず、、、自分の国における認識や韓国の物語上の扱い方の違いなど、見終わった後に自主的にしらべてみたりして勉強になる部分が多かった。

物語のメッセージは「どんなに現実が辛く苦しくても芸術の持つ力は、君に夢を与えてくれるだろう/ぼくたちの歌が僕たちのダンスが銃や武器よりも強いはずだ」という部分が芯にありつつ、

自分の国がかつて侵略した側であり、兵役制度が出来るきっかけを与えている歴史があることに引き続きちゃんと向き合って、平和に近づくために自分ができることが何かは常に考えていきたいと改めて思うきっかけになった観劇でもあるなと思っています。見てよかった。

 

ソウル最終日、こんなにチャニョルさんもチャンギヨンさんも最後泣いてるの初めてでは…というくらい2人が泣いているのが印象的でした。

最終日の舞台挨拶でリーダーズが話していた言葉を翻訳した物を、Twitterに載せたので一部引用しておきます(スレッドに続きがあります)

 

最終日、軍の偉い人の挨拶の中で「来年も〜」みたいなことをちらっと言っていたり、某他のアイドルの新たなキャスティングが噂されていたり…!メイサはしばらく続きそうなので、更にどう物語がアップデートされていくか期待します!